ここ3年ほど、年に2〜4人ほどですが劇団四季の研究生を目指す方々のオーディション写真を撮影する機会をいただいています。
昨年、一昨年と、一人ずつ一次試験の書類審査を通過できています。
今年も元四季の先生のお弟子さんと、去年撮影した人のご紹介の2人撮影。
一次審査とはいえ、倍率はかなりのものだということで、美大受験の頃を思い出します。
あざみ野の四季の稽古場での本選のオーディションに呼んでもらえる人はほんの一握りらしい。
提出するのは写真3枚と、歌やダンス、台詞の動画。
この動画は簡単にスマホで撮影して済ましてしまうのかなと思ったら、
歌などはちゃんと録音スタジオを借りてプロに収録して貰うらしい、
ダンスもダンススタジオに専門の人が撮影に来てくれたり、
流石、高いレベルを目指す人達、真剣な取り組みです。
四季のオーディションに必要な写真は、全身、上半身、バストアップの3枚。
オーディション写真もプロフィール写真も基本的に撮影時間の制限はないが、
大体1時間半から2時間で、着替えも撮影カットの枚数も無制限。
大体、ひとり当たり500〜1000ショットほど撮影します。
いい写真が撮れたなと思うまでシャッターを切る。
普段の仕事からすると通常運転。
初めに何枚かテストを撮って、衣装は、あっちがいいだの、こっちがいいだの。
どう組み合わせたら素敵に見えるか・・・
上半身とアップが似ているので、ポーズや表情、ライティングの変更など構成が難しい。
全身写真の衣装はこれにして、アップ時はそっちの衣装にしよう・・・
今年撮影したKさんが、別のオーディション用に撮影したスタジオでは20枚とか40枚とか制限があったそうで、
僕がどんどんシャッターを押していることに驚いてくれた。
こちらも逆に驚いた、とてもその枚数で撮れる自信がない。
ダメ写真もいっぱいできてしまうのだが、撮影の時はリズムも大切。
今の瞬間は、あんまり良くないなと思っても、
次のシャッターのタイミングで良くなりそうなら、
なるべく同じリズムでシャッターを押す。
撮られる側もそのリズムでポーズや表情を作ればいいので瞬間が活きてくる。
この数枚先の写真がとてもいいはず、と思って一枚一枚撮り進める。
数十枚撮っては一緒にチェック。
ポーズは、表情は・・・どんどん良くなってくる、新しい表情も出てくる。
「これ良くないですか!」あまりに喜んでくれるのでこちらが照れる。
そうすると、予定が変わって、衣装やポーズにライティング、
結局ほぼ全てのパターンを撮影。
カメラマン的には500枚は今日はあまり撮ってないな、
1000枚でボチボチ働いたなという枚数なんだけれども、
一般の方には選ぶのも大変な枚数。
740枚程撮影したKさんは、パソコンを持っていないとのこと。
携帯で選ぶのは大変なのでスタジオで選んでいくことを薦めた。
少し選び出したんだけれども、やっぱり携帯で選びますとのこと。
なかなかすぐには選べるものではないので、分からなくもないが・・
Kさんを送り出して写真のデータもオンラインで送ったあと、
ちょっと心配になって自分でもダウンロードから選ぶ作業を試してみた。
レタッチをするので、この時点では軽めのデータでもいいのだが、
ギリギリまで迷ってそのまま応募してしまうことも考えて、
写真のサイズはそのままオーディションに応募できるサイズ。
一枚一枚は軽いけれども740枚あると携帯では大変そうな容量。
あら、意外に快適。
最後の数枚に絞ってからは大きな画面で並べて比べたいところだが、
それまでの過程はサクサク動く。
iPhone凄いな。
そういえば自分も2000枚を超えてくるような撮影は、
一旦タブレットを飛ばしてからセレクトや調整をする方が快適だと感じている。
古めの1番安いiPadでも十分。
レタッチの戻しが翌日かその次の日の早めには戻ってきた。
思っていたより早い。
ほー、この3枚を選んだか。
いつもいろいろ好みがあって面白い。
毛の跳ねているところや、ネックレスのヨレ、その日のコンディションによるお肌のトラブルなど、
オーディションの選考には直接影響しなさそうなところを、少し、過度にならない程度のレタッチ。
まだ、締切まで余裕はあるのに、なぜだかなんだか急いで送信。
満員の劇場の舞台の真ん中でソロで踊るってどんな感じだろうか・・・・僕はリズム音痴なので自分の場合は想像したくないが・・・
先週末でオーディションの応募の締切だったはず。無事に応募できたかな。